丹下左膳
丹下左膳がこの世に生まれたのは昭和2年(1927 年)。当時のベストセラー作家林不忘(1900 ~1935 )が新聞に連載していた小説「新版大岡政談・鈴川源十朗の巻」 の中の脇役の一人として登場しました。
女物の赤い長襦袢を身にまとった片目片腕の怪物素浪人、丹下左膳はたちまち人気となり、その後、彼の名前をメインにして作品が執筆されることになります。
同年、映画化され、当初は、善悪を超越したニヒリストとしての異様な存在感が目立っていましたが、昭和10 年(1935 年)の山中貞夫監督「丹下左膳余話 百万両の壷」から、 市井に生きる人情味あふれるヒーローとして描かれ、以後、そのキャラクターが定着していきます。
丹下左膳を演じた役者は、月形龍之介、大河内伝次郎、丹波哲郎、大友柳太郎、中村錦之助らがいましたが、特得のなまりと大きな顔で印象付けた大河内伝次郎が一番の当たり役でした。
丹下左膳シリーズはこれまで31 作品が上映されており、 座頭市シリーズの26 作品をしのぐ息の長いチャンバラ時代劇作品です。また、2004 年、豊川悦司主演により「丹下左膳余話 百万両の壷」がリメイクされ、シリーズ32 作目が誕生。その存在を新しい映画ファンにもアピールし、 話題となりました。