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座頭市

作家子母澤寛(1892~1968)による、歴史上の人物の姿を江戸期の庶民生活を折り交ぜて描いた随筆集「ふところ手帖」。座頭市は、この作品の中に収められている、わずか10ページほどの短編「座頭市物語」の主人公です。

渡世人で盲目の按摩士でありながら居合いの達人である座頭の市の話は、あるとき脚本家犬塚稔の目に留まり、映画「座頭市物語」が誕生します。

主役には、当時二枚目俳優としてデビューしたがあまりぱっとせず、同期の市川雷蔵に遅れをとっていた勝新太郎が抜擢され、好評を博します。以降、勝新太郎の演じた劇場映画座頭市シリーズは26作品、テレビシリーズは100作品も製作され、勝新太郎のライフワークとも言うべき存在になっていきます。

金にうるさいところがあり、ばくち好きというキャラクター設定は、ストイックなチャンバラヒーローが多い中で異色の存在。

しかし、女性と子供に対してはやさしく、ひとたび仕込み杖に隠された剣を持てば一瞬にして悪党を斬り倒し、圧倒的な強さを見せ付けます。

初期3作品までは、盲目を馬鹿にするものへの敵がい心をむき出しにし、暗い心の闇を持つ人物として描かれていますが、4作目以降、陽気なキャラクターを感じさせるようになっていきます。

ハンディキャップを抱える弱者が悪党をやっつける話はアジア諸国でも大いに受け、香港では「盲侠」と呼ばれ喝采を浴びたそうです。

1997年、勝新太郎が亡くなり座頭市の歴史も途絶えたかに見えましたが、2003年、北野武監督、主演によりリメイクされ、勝新太郎座頭市を踏襲しつつも、新たなキャラクターがプラスされました。